第6章 *理想の世界と現実の世界* 完結
炎輪「契約刀使いも、水底の民の特殊能力者並みに珍しいからね…?」
炎輪は血が垂れているメスを片手に、首から溢れ床に広がる赤い血の持ち主の地土を見下ろした
雫「ひっ…あぁ…!! 広原さんっ…!! 広原さんッ…!!!!」
雫はピクリッとも動かなくなった地土に駆け寄り、震える声で呼びかける
炎輪「…静かに」
雫「ッ…!!?」
雫の首筋に地土の血がついたままのメスを当てられた
炎輪「君を今ここで殺してしまっても構わないのだよ…」
雫「ッーー…」
炎輪「いい? よーく聞いてね…?」
炎輪はそっと雫の耳元で囁いた…
"君は何も見なかった。 何も知らない…、いい? 守らないと君の仲間も一人ずつ死ぬ事になるからね…?"
それは暗示のようで、呪文のようで…
雫「は…いッ…」
炎輪「んっ、いい子だ」
雫は心の奥で、「ごめんなさい…」と謝る事しか出来なかった…
炎輪「死体を川にでも捨ててこい、そのうち海にでもたどり着くだろう…?」