第5章 *一番大きな感情編* 完結
\少女との出会いはまだ何もない地だった/
毎日、毎日。 俺は何も残っていない地に足を運んだ
気付いたら一ヶ月過ぎて、気付かないフリをしても二ヶ月過ぎて、目を伏せても半年が過ぎた…
時が経つという事かこんなにも苦痛だとは知らなかった…。 知りもしなかった
【かぁ"…さんッ…】
涙が俺の瞳からこぼれた時だった
【お前。 何で泣いてるんだ?】
近くから女の子の声が聞こえた。 目が涙で霞んでいてよく見えない…
【…向こうへ、行けッ…!! 殺すぞッ…!!】
泣いている所を見られるなんてなんて恥だ。 …そもそも、泣いたのが初めてなのかもしれない…
【別にお前が泣いたのを誰かに言いふらしたりしないぞ?】
そういう問題じゃない。 ただ一人にさせてほしかった、放っておいてほしかった
【…誰か死んでしまったのか?】
不意に聞いてきた女の子らしき人物。 …あぁ、母さんの遺影でも見たんだろう
【ーー俺によく似ているな】
…何? 母さんに似てる…?