第10章 繋がる。【R18】
『君はいつも自分で解決しようとして俺に嘘をつく癖があるからね………』
『そ、そんな、嘘なんて』
『ついているだろう?』
エルヴィンさんはクスクス笑う。
『ああ、それと、俺とふたりきりの時は上司だということを忘れてほしい。』
『そ、それってどういうこと、ですか?』
『そうだね………とりあえず副分隊長ではなく、名前で呼んでほしい。もちろんそれ以外のところでは今まで通り副分隊長と呼んでほしい。』
『え、エルヴィンさん。』
『ふふ、なんだい?』
エルヴィンさんは優しく返事をすると私を優しく抱き寄せる。
『練習してみただけです……』
『そうか………なんだか懐かしいね。』
『そうですね………』
『アン、ちょっと顔を見せてくれ』
そう言われ、私は疑問に思いながらエルヴィンさんの目を見つめる。
すると、右頬を指で撫でられる。
『…………痕は残らなかったみたいだね、よかった』
そうだ、私エルヴィンさんに打たれたんだっけ………あの時のことは今でも思い出される。
『本当にすまなかった。痛かっただろう?』
『いえ………今こうして撫でてもらっているので大丈夫です。』
『………そうかい?でももっと怒ってもいいんだよ。女の子は顔が命だからね。』