第7章 急接近
『っ…………す、すまない………』
エルヴィンさんは息切れもしておらず慣れているようであった。
私にしてしまったことにひどく落ち込んでいるようでもあり、満足もしているようであった。
一方私はキスだけなのにこんなにも気持ちよくなってしまい、脚に力が入らない。
今までこんなことはなかった。キスだってしたことはあるはずなのに、好きな人とこのようなキスをすることはこんなにも幸せなことなんだ、と改めて感じた。
『………………』
『………………』
2人とも無言になってしまう。
『……………その、考えてほしい。』
『えっ………』
『君にとって俺は昔はただの客で、今はただの上司かもしれない………だが……俺は…………』
『君を……………愛おしいと思っている…………』