第6章 変人たち
目覚めたのは昼過ぎだった。
少し傷が痛くなり目が覚めてしまったため、痛み止めを口に含む。変な体勢で寝ちゃったからかな。
少しぼーっとしていたが、お腹がすいていることに気づく。朝も食べていなかったはずだから………。
ふと、ドアの下を見るとメモが挟まってあった。どうやら昼食を届けに来てくれたが、反応がなかったためドアの前に置いておいたらしい。
ドアをゆっくり開けるとそこには律儀に小さな椅子の上にプレートに乗ったパン2つにじゃがいものスープがあり、その上にはホコリが入らないよう布がかけられてあった。
『…………ありがとうございます、』
と、届かないかもしれないがお礼を言ってプレートごと部屋へ持ち運ぶ。
一人で取る食事には慣れている。むしろ気を使わなくていいから楽なんだ。
じゃがいものスープを一口含むと少しぬるくなっていた。お昼丁度に運んでくれたのかな…………
パンを一口サイズにちぎりスープにつけてたべる。こうすると私は食べやすくなる。
若干少なめであったご飯を食べ終わり、空になったプレートを下げようとする。
『……………ここに置いておいていいのかな、』
このまま置いていたらこのお皿洗いずらくなっちゃうんじゃ………直接持っていった方がいいのかな、
私はドアを出たところでプレートをもったまま悩んでいた。すると…………
『…………どうしたの?』
ポニーテールを縛って眼鏡をかけている女性が私の顔を覗いていた。
『えっ、あ、』
『あ、もしかしてエルヴィンの言ってた子??』
『えと、アンです……』
『やっぱり!!!!わぁ〜やっぱり可愛いなぁ〜、お人形さんみたいだ!』
目をキラキラさせて私に抱きつくと顔をすりすりしてきた。
く、苦しい。
『あ、あの…………』
『ああ、ごめんね、私はハンジ・ゾエ。エルヴィンとはまぁ腐れ縁って感じかな。プレート下げようとしてたんだろう?私も丁度下げるところだからついでに持っていってあげるよ!』
『えっ!?申し訳ないです、そんなこと』
『いーのいーの!!!ほら、』
私からプレートを奪うとそのまま行ってしまった。