第5章 先生からの言葉
「それを伝えに来ただけだァ」
「えっ…」
「俺は帰るわ」
「えっ、もう帰るんですか!?」
「あァ、色々やることがあってな」
「そう…ですか」
「悪いな」
「いえ…」
「ちゃんとカギ閉めとけよ」
「はい」
「あと―」
「ん?」
「これ渡しとく」
「えっ…これって―」
携帯の番号――。
「何か遭ったら掛けて来い、相談に乗ってやるから。じゃーなァ」
そう言って先生は歩き始めた――。
どうして先生はここまでしてくれるのだろう…?
フッとそんなことを思った。
その次の瞬間、私は…
「先生ッ!!」
先生を呼び止めていた――。