Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第24章 運命 ーDESTINYー
「ねぇ、翔くんは“運命”って信じたことある?」
情事を終えたばかりの気怠い身体を起こして、僕は隣で煙草に火を付けた翔くんを見下ろす。
「運命? うーん、そうだなぁ…」
煙草を一口吸って、煙を吐き出した翔くんが、首を捻る。
「俺的にはさ、“運命”なんて物は、この世には存在しないと思ってんだ」
「どうして?」
「どうして、って聞かれると答えに困るんだけどさ…。例えばさ、俺ら5人が一つのグループになったのって、ある意味“必然”だったと思うんだ?」
吸いかけの煙草を灰皿に揉み消して、翔くんが身体を起こした。
そして両腕を広げると、僕の身体をすっぽりと包み込んだ。
「俺ら5人は、出会うべくして出会って、それで一つのグループになったんじゃないか、ってね?」
出会うべくして出会った僕ら…
翔くんの言う通りかもしれない。
この5人じゃなきゃ、こんなに長くはやって来れなかった。
「でもそれって、自分で道を切り開かなきゃ出来なかった事だよね?」
この広い地球上の、ほんの小さな島国の中で、産まれた場所も、歳も、性格だって全然違う僕らが出会うのって、かなり低い確率なわけで…
そんな僕らがこうして一つのグループになるのは、もっともっと低くて…
「やっぱり僕はあると思うよ、“運命”って。翔くんの言うように、僕らが出会ったのは、確かに“必然”だったかもしれない。でも、“必然”を可能にしたのは、やっぱり僕らそれぞれが持ってた“運命”だと思うんだ」
僕らはいつだって同じ方向を見て、一緒に歩いて来たんだ。
一歩一歩を大切に…
「そうだね、智くんの言う通りかもね? じゃなきゃ、俺と智くんごこうしていることなんて、もしかしたらなかったのかもしれないね? そっか…そう考えれぱ、俺達は“運命”に導かれた、ってことだよね?」
うん、と小さく頷いた僕の頬を、翔くんの手が包む。
そしてそっと唇が重ねられた。。
「ねぇ、これからも一緒に歩いてくれる? 俺らの未来に向かって…」
「勿論だよ。だって僕らは“運命”で結ばれているんだから… 」
一緒に作って行こう…
僕らの明るい未来を…
運命に導かれるままに…
おわり♡