Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第3章 SAKURA Drop
「桜…、散っちゃう…」
俺の上で細い身体を揺らしながら、窓の外に視線を向け、切ない声を上げる。
窓の外では、昨夜遅くから降り始めた雨が、今もなお降り続いている。
「集中して?」
俺は上体を起こし、上気した頬を両手で包み込むと、窓の外に向けられた視線を、無理矢理に俺に向けさせた。
薄らと開いた唇を塞ぎ、乱暴に舌を絡めてやれば、キュッと締め付けられるような感覚に、俺の身体がブルっと震えた。
「やっべ…」
一気にせり上がってくる射精感に、俺は堪え切れず熱く溶けた体内に吐き出した。
「ごめ…」
「ううん、俺も、も…んん…」
謝ろうとした俺を遮るように小さく呻いて、智くんの身体が小さく震え、俺の腹に熱いモノを吐き出した途端、脱力したように身体をベッドに投げ出した。
「花見…行けなかったね?」
睡魔に負けそうな目で恨めしそうに窓の外を眺め、智くんがポツリ呟く。
「うん。この雨じゃ、きっと散っちゃうだろうしね…」
智くんの隣に身体を横たえ、背中から抱き締めてやる。
「ねぇ、翔くん? 絶対に散らない桜、ってないのかなぁ?」
そんな物あるわけない…
そう思いながらも、俺は必死で知恵を絞った。
そして、智くんの背中に唇を押し当てると、少し強めに吸った。
それを何度も繰り返す。
すると智くんの背中には、いくつもの赤い華が咲た。