Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第76章 道の先…
「この道の先には、一体どんな世界が広がっているんだろう…」
「違う景色を見てみたい」
貴方にそう言われた時、前に貴方が何気なく言った一言をふと思い出した。
俺はその時思った。
その「違う景色」ってのは、一緒に見ることは出来ないのか、ってね?
貴方が、何よりも自分の時間を大切にする性格だ、って知っていながらね?
でも同時に、こうも思ったんだ。
貴方がこの先見る景色の中に、俺は…俺達は必要ないんじゃねぇか、ってね?
貴方が、何よりも俺達のことを考えてくれてる、って分かっていながらね?
ホント俺ダメダメだよね…
口では格好良いこと言いながら、結局心の奥底では貴方をこの場所に縛り付けておきたい、って思ってる。
籠の中に閉じ込めて、一生逃がしたくない、って思ってる。
そんなことしたって、何の希望も見い出せやしないのにね?
だからごめん…
今は「分かった」とは言って上げられない。
でもいつか…その日が来たら、
「行ってらっしゃい」って言えるように…
笑顔で貴方に言えるように…
今から心の準備しとくから。
だから貴方も約束して欲しい…
必ず戻る、って…
それが何時になるかなんて、それこそ神のみぞ知る…なのかもしれないけど、いつかその日が来たら…来るのなら、俺その時はちゃんと笑ってこう言うから…
「おかえりなさい」
ってね?