Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第65章 咲み -emi-
ボールの中で砕いたチョコが溶けて行く。
僕はそれを見ながら思い浮かべるんだ、君の笑顔を…
「うんめぇ!」、って言うのかな?
それとも、「うまし!」なのかな?
ふふ、どっちでもいいや、君が喜んでくれるなら。
ねぇ覚えてる?
僕が君に初めてチョコを贈った日のこと。
すっごい驚いてたよね?(笑)
でも君は躊躇いながらも、僕の作ったチョコ受け取ってくれたんだ。
僕ね、超嬉しかったんだ。
だって受け取って貰えるなんて、思ってなかったもん。
あの日から僕の僕の生活は一変したんだ。
毎日忙しいけどさ…、でも君といることが楽しくてたまらないんだ。
君のことを考えてる時間が、とても幸せなんだ。
ずっと…なんて贅沢は言わないよ。
でも僕達が一緒にいられる間は、僕は作り続けるよ…
君のために、甘い甘いチョコレートを…
10年先だって、100年先だってずっと…
“愛情“って言う、特別なスパイスをいっぱい、い〜っぱい詰め込んでね♪
「ねぇ、美味しい?」
「うん、超美味い!」
良かった…
やっぱり君は、僕が一番欲しかった言葉をくれる。
「あ、一緒に食う?」
「えっ…?」
「あ〜ん、して?」
「う、うん…」
「どう? 甘いでしょ?」
「う、うん、とっても…」
僕の中に甘いチョコの香りが広がって行く…
「大好きだよ」
「俺も…」
そう言って重なった唇からは、やっぱり甘い甘いチョコの味がした。
おわり♥