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Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】

第62章 くしゃみ


「お疲れさま。今日もイケメてたよ」

いつからか当たり前になってしまった、放送終了と同時に打つメール。

「ありがとう。見てくれてたんだね」

僕が翔くんの番組を見ないわけないのに…

そのたった一言が嬉しくて、僕はメールを打つんだ。

どれだけ眠たくても、毎週毎週、その時間だけは必ず…

でも今日はいつまで経ってもメールの返信が来なくて…

スマホを握り締めたまま、僕はソファーの端っこで膝を抱えた。

どうしたんだろう…
何かあったのかな…

どうしようもなく不安になる。

もう一度メールしてみようか…

そう思ってスマホの画面に指を滑らせたその時、僕の手の中でスマホが突然震え出した。

「も、もしもし、翔くん…?」

「あ、智くん? 起きてたんだ?」

声を聞いて、僕はホッと胸を撫で下ろすと同時に、僕を不安にさせたことへの怒りが込み上げてくる。

「も、もう、どうしてメールくれないの? 何かあったんじゃないかって、心配しちゃったじゃん」

「ごめんごめん。メールしようとしたんだけど、丁度スタッフさんに呼び止められちゃってさ…」

分かってるよ…、仕事だってくらい…

でも…でも…

「今から帰るから…。あ、先寝てていいからね? …クシュン…」

「どうしたの? 風邪?」

そういえば今日のオープニング、外だったよな…
しかも雪降ってたし…

「ん? あ、平気平気…。クシュン…」

「もう…、早く帰っておいで? 部屋、ちゃんと温めておくから…」

僕はヒーターの温度設定を少しだけ高くした。

「うん、そうする。ってか、部屋だけ? 温めておくのは」

も、もう…
翔くんのバカ…

「ちゃ、ちゃんとお布団も温めておくから、気を付けて帰ってきて」

「分かった。急いで帰るから…」

「うん、待ってる」

不格好な雪だるまのお土産を手にした、翔くんの帰りを僕は…



おわり♥
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