Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第56章 僕、出来ないよ…
「和くんがいいと思いま〜す!」
「僕も〜」
「わたしも〜」
えっ、ちょっと待って…
僕無理だよ…
出来ないよ、クラス合唱の指揮者なんて…
無理無理無理、絶対無理!
だって“カンチョー”しちゃうじゃん?
それに僕が間違えたら、めちゃくちゃになっちゃうじゃん?
そんなの絶対ダメだよ…
なのにさ…
「じゃあ、指揮者は和くんに決定ね♪」
って…
僕、どうしたらいいの?
シ「カズくん、指揮者するんだって?」
えっ、なんでショウくん知ってるの?
サ「わぁ、すごいやカズくん!」
何がすごいのか、僕分かんないよ…
シ「あれ? 嬉しくないの?」
嬉しいわけないじゃん…
僕も絶対出来ないのに…
ジ「俺、楽しみだなぁ、カズの指揮でお歌唄うの♪」
僕は全然楽しみじゃないよ…
あ、そうだ!
休んじゃえばいっか。
お腹痛いとか言ってさ…
そしたら嫌なことしなくて済むもん。
うん、それがいいかも♪
ジ「あ、ショウくんは“ばんそー”するんでしょ?」
えっ、ショウくんが?
でもショウくんピアノ教室行ってるし…
僕なんて…
シ「そうなんだよ。でもさ、“バンチョー”なんてしたことないから、今から“カンチョー”してるよ」
ショウくんも…?
ショウくんでも“カンチョー”しちゃうの?
シ「あ、そうだ! お家帰ったら、皆で練習しない? 僕がピアノ弾いて、カズくんが指揮者するの」
ジ「おっ、それいいかも!」
サ「さんせー!」
シ「一緒に練習すれば、きっと上手に出来るようになるから、ね?」
ホントにそうかな…
僕でもちゃんと出来るようになるかなぁ?
「…うん。一緒に練習する…」
シ「よし、そうと決まれば皆、ランドセル置いたら僕ん家集合ね?」
ジサ『ラジャー!』
皆が一緒になら…
何だか僕、出来そうな気がしてきたよ。
「僕、頑張る!」
だって僕は一人じゃないから…
皆が一緒だから。
勿論、パパもね(・ω<)-☆
おわり♥