Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第47章 リップクリーム
本音を言うとさ、塗りたかったよ。
指なんかじゃなくてさ、直接ね?
でもさ、邪魔しちゃったんだよ…プライド、っつーのがさ…
公衆の面前で、しかもそれがテレビと言う媒体を通して発信されることがさ、恥ずかしかった…
じゃないな…
そう、怖かったんだ。
白い目で見られるんじゃねぇか…
男同士でキショいとか思われるんじゃねぇか…
ってさ…
そう思ったらさ、自然と指で塗ってた。
でも君はそんなこと全然思ってなかったんだよね?
そうだよね、俺たち付き合ってんだもん。
それも一年や二年の付き合いじゃないもんね?
なのにさ、俺ってちっちゃい男だよね…
ごめん、智くん。
君の気持ちに気付いて上げられなくて…
ホント、ごめん…
そして気付かせてくれてありがとう。
ちっぽけなプライドなんかよりも、君のほうが何倍も… いや、何億倍も大切だ、ってことに気付かせてくれて…
ありがとう…
ホント言うとね?
君から借りたリップクリーム…
君の匂いがしたんだ。
おわり♥