Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第44章 恋一夜
「プレゼント、何が欲しい?」
聞かれた時、何も答えられなかった。
だって俺が欲しいのは…
「何でもいいんだぞ?」
じゃあ、あなたが欲しい、って言ったら?
あなたはどんな顔すんだろうね?
アーモンドみたいな目を、これでもかってくらいに見開いて驚くんかな?
それとも、目尻を下げて困ったように笑うのかな?
って、どっちも答えは“NO”じゃんか…
だから俺は、
「翔さんが選んでくれたモンなら何でもいいよ」
と、当たり障りのない答えを返す。
それが一番安全だから…
今までの関係を壊すこともないし、何より、誕生日当日に失恋…なんてしたくないし…
それでいいんだ…
あの人に対するこの気持ちは、胸に仕舞っておこう…
そう決めたのに…
朝から何度も鳴り響く、メッセージの受信を知らせる着信音。
それも、一人じゃない。
ニノからも、雅紀からも…それにリーダーも?
しかも皆言葉は違うけど、同じ内容のメッセージで…
『今夜、レインボーハウスに集合』との事だった。
きっと俺の誕生日を、メンバー皆で祝ってくれるんだ…
俺は漠然とそう思って、海の見える小高い丘に向かって車を走らせた。
「KBNS」第209章に続く!