第9章 欲望のままに
止まらなかった。
部屋の扉が閉まったのを音で確認した時には、後ろから灰羽くんに抱きしめられていた。
「椎名さん…「3時間よ。」
そう。
この部屋にいる3時間。
それが私たちが一緒に居られる時間。
だから…
「3時間、目一杯愛して。」
そう、言葉にした。
YESの言葉はなかった。
でも、灰羽くんの指は動き、ワイシャツのボタンが次々に外されていった。
全部のボタンが外されたタイミングで灰羽くんの方を向くと、彼の手を引きベッドに向かう。
「いっぱい愛して?」
好きだから。
そう伝えるように口付ければ下唇を啄まれ、次第に舌が這う。
欲しがりの私は自ら唇を開き、舌を触れ合わせる。
その間にもお互いの手はせわしなく動き、お互いの服を乱していった。
少しの時間も惜しい。
早く触れ合いたい。
ぐちゅり、といやらしい音を響かせながら舌を絡ませ、脱がされた上半身。
灰羽くんは早くも私の胸を揉みしだいている。
柔らかい肉を堪能しながら、刺激で尖った先端やその周りを指先でくすぐる。
私もお返しとばかりにスラックスのベルトを外すと、ボクサーパンツから熱く猛った肉棒を取り出した。
すでに先っぽからはぬるぬるとした先走りが溢れている。
その滑りを指に絡め、肉棒の先端をくりくりと指で撫でた。
これ以上はお互いの下着が汚れすぎてしまう。
私は1度唇を外すと、シフォンスカートとストッキング、そして下着を脱ぎベッドの下へと落とす。
そして灰羽くんのそそり勃つモノに唇を寄せ、ぱくり、咥え込んだ。
ぴくり、と跳ねる肉棒。
太くて長いソレは必死に咥えても全ては咥えられなくて…
ぐぐっと喉奥まで咥え込めば灰羽くんが苦しそうに声を漏らした。
「くひ、らひて?」
咥えたままそう伝えると、我慢できなかったのか私の頭を掴み口から抜き差しを始める。
喉奥に当たって苦しい。
でも、気持ちいい。
そう思ってしまうほど私はマゾヒストなのか。
そう考えていると、灰羽くんが小さく呻く。
そのタイミングを見計らって唇をぐっと締めながら喉の奥へと導く。
「だめだっ…でるっ!」
そう、灰羽くんが私に伝えた瞬間、口の中の肉棒が震え、熱い液体を私の口内に吐き出した。
苦い。
でも好き。
零してしまうのが勿体なくて
全部欲しくて
私は肉棒を擦り上げながら出された精液を全て飲み干した。