第1章 赤葦家
『京治起きて、遅刻する!』
「んー、んぅ...」
『もぅ、早く起きなさいっ!』
「いてっ...おはよ、
...コラ、は座ってて
無理しちゃだめだよ、ホント...
辛くなったらすぐ俺に言うんだよ?いい?」
『はーい、おはよ』
出産予定日が近いから
こうやって毎朝京治に怒られます
それを左へ受け流す←
心の中では感謝してるけどね...
強がっちゃうのが女の性ってやつ?
「こっち来て」
『んー?』
「お腹摩りたい」
『お、おう』
(色気無い返事しちゃった...)
「膝に座って、」
『重くない?』
「ううん、いつまでも
妻と子供を抱っこできるパパで居たいからね」
不覚にもキュンとした自分を殴りたい
『パパ~...』
っつってもそんなこと言われると
甘えたくなるでしょうが!
「なぁにママ~?」
あぁぁもうなんでこんなに可愛いの私の旦那...
『なんでもないよ~』
「え~、じゃあ赤ちゃんとお話しようかな~
もしもし、お父さんだよ
もうすぐ会えるね
早く会いたいな、
一緒にバレーしたいなー。
あ、でも女の子だったらおままごと?」
クスっ...何言ってるんだか。
私も早く会いたいな。
『京治ほら!遅刻するよ!』