第35章 女中 .
夜空を見上げて歩いていると、
一生懸命働いていた攘夷浪士さん達の姿が浮かんだ。
(あんなに頑張って働いている彼らを
私は今から苦しめるような事をしてしまう…)
私を励ましてくれた涼太さんの顔も同時に浮かぶ
(私を危険な潜入に利用した山崎さんに篠原さん…
私はこのまま彼等に情報を提供して良いのか……)
なんて言えば良いか分からない…
でもこの気持ちはとても危険なものだとは知っている。
大きな橋に差し掛かる。
橋から下を見下ろすと流れの穏やかな川が静かにながれていた。
(この川に私の気持ちを託してみよう…)
私はバッグからボイスレコーダーを出すと、
"ポチャン"
投げ捨てた。
みわ
「これで良かったのよ…
私の遣る瀬無い気持ちも一緒に流されてしまえば良いのよ…」
暫くその場で物思いにふけってから屯所へ戻った