第12章 愛しい彼女-翔side-
『よかった…嬉しい、です』
「うん。俺もだよ?」
二人で顔を見合わせて微笑み合う
そして、ゆっくりと近づく顔と顔
その彼女の白い頬に手を添えて、
静かに重なる二人の唇
これが2回目のキスだ。
『翔くん…』
「"くん"の方が呼びやすい?」
『え、あ…』
「ははっ…いいよ、それで
俺もちゃんの方がいい…」
顔が近づいたまま話すもんだから、
お互いの息が静かに頬にかかる。
「二人でゆっくり、進もう?」
『…うん』
「でも、あのさ?」
『ん?』
「ゴホンッ…もう1回…キスしても、いい?」
そう俺が言うと彼女は笑って、
『…うん』
そのまま再び重なる唇
次は少し大人っぽい、そんなキスだった。