第20章 それぞれの気持ち。
「あんた達…馬鹿じゃないの!?」
思っていたよりも声を荒らげてしまい、
2人が静まり返り、
私の方を見る。
「鉄朗は、
今度ゆっくり佳奈ちゃんに何があったか話して上げなさい。
佳奈ちゃんは、
鉄朗のことをちゃんと愛して上げてね。
あんた達はお互いに相手のことばかりを考えてるから
ちゃんと自分の意思をハッキリ相手に伝えること。
…以上!
じゃあ今日はありがとう。
もう夜遅いし近くのホテルにでも止まりなさい」
「ヤらせるき満々じゃねーか」
私の言葉に
鉄朗がツッコミを入れる。
思わずこの場の雰囲気が
和んだ気がするのは確かだと思う。
2人とも私に一礼すると、
私の家を出ていったのだった。