第4章 誰よりも早く伝えたい【水戸部】
今日は彼の誕生日。
それで今は体育館で彼を待っているところです。
『早く来ないかな。……あっ、来た!』
私は彼の元に駆け寄り抱きついた。
『凛くん、誕生日おめでとう!!』
水戸部「!?」
彼は最初驚いた顔をしていたけど、すぐに笑顔になって私のことを抱きしめてくれた。
『凛くんごめんね、急にメールで呼んだりして。朝練があるの知ってるのに…。』
私と彼の家は反対方向にあるため、一緒に登校が出来ない。だが早く彼におめでとうが言いたくて、早めに来てもらうようにメールをした。
『でも、おめでとうって誰よりも早く言いたかったの。』
私がそう言ったら、彼はさっきよりも強く抱きしめてくれた。
『凛くん?…(ありがとうって言ってるのかな。)』
私はそう思って、私も強く彼のことを抱きしめた。
『あっ、そうだ!これプレゼント。』
水戸部「?」
『開けていいよ。』
彼はプレゼントを開けた後、中に入っていた手作りの手袋をしばらく見つめていた。
『形ちょっと変になっちゃったけど…。』
私がそう言うと、彼は手袋をはめて笑顔を向けてくれた。
『(気に入ってくれたみたい。…良かった。)』
彼は普段無口だけど、いつもちゃんと気持ちを伝えてくれる。
そんなところが好き。
『凛くん!』
水戸部「?」
『凛くん大好き!!生まれてきてくれてありがとう(*^^*)』
他side
日向「なぁ、どうする?」
リコ「どうするって言われても…。」
伊月「どのタイミングで入ったらいいか分からないな。」
小金井「もう朝練無しでいいんじゃない?」
リコ「あんたねぇ。」