第4章 ごめん。
一瞬何を言ってるのかわからなかった。
彼の放った言葉がぐさり。と心に刺さったから。
「お前はさ、財前財閥の娘なんだよ。
一応代々続いてきた名家なわけ。
おまえの勝手なワガママで財閥をつぶすわけにはいかねーだろ?
その神条って奴も、いい家柄なんだしきっとざいば・・・」
机を思いっきりたたいて、
最後まで言わせなかった。
否、聞きたくなかった。
私を結婚させようと説得させる言葉なんて。
どうせ私は、彼にとってよくめんどくさい相談をもちかけてくる同級生でしかないんだ。
と、改めて実感してしまったから。