第17章 スマイル&スマイル
櫻「…え~…。と、とにかく。嵐的にはたいしたことのない、日常茶飯事のヒトコマでした。ではっ、いよいよ今日の―…」
翔ちゃんの呼び込む声を皮切りに、マジモードでのゲームが始まった。常にみんな真剣勝負だよ。だって真面目にやっても勝てないからね、ホントに。
…うん。芹奈の大好きな人も、頑張ってる。決めてくれる人だからね。ホントカッコいいよ。キラキラしてるよ。俺も惚れそうだもん…。
二「ちょい。ぼ~っとしてんなよ。抜かれるぞ」
相「…してないよ」
二「ドラマと、まあ~…いろいろ、大変なのはわかるけどさ。今は楽しめば?おまえの好きなのばっかじゃん、今日」
相「…うん。楽しいよ?」
芹奈
俺、応援はしないことにするよ。
あ、応援してないワケじゃなくて。もちろん、うまくいって欲しいって思ってる。俺、どっちも大好きだから。正直やっぱまだキツイけど、でも、芹奈には笑顔でいて欲しいし、好きな人と幸せになれるなら、それが一番いいって。俺は、そう思ってるから。
だから、昨日あれからずっと俺なりにいろいろ考えたの。で、下手に応援すんのはやめようって。俺、余計なこととそうでないことの区別が、うまくできないからさ。だったら、何もしない方がいいんじゃないかなって。本人に『今、彼女いる?』って探りいれたり、『芹奈ってさ、どう思う?』とかそれとなく聞いたり…しない方がいいのかなって。
だって、一歩間違ったら、俺、芹奈が温めてる想いをぶち壊してしまいそうだから。それだけは、したくないからさ。
何もしない。
邪魔しない。
それが、今の俺にできる、精一杯のエールかなって。