第50章 ほっとけーき
M side
収録中ずっと上の空だった翔さん
何だよ
何なんだよ
ニノとはコソコソ話してるくせに
俺のことはチラっと見ただけで目を逸らすし
そんなの
そんなの
・・寂しいじゃねぇかよ
収録終わりの楽屋で
俺とは目も合わさずさっさと着替えて
帰ろうとする翔さん
「ねぇちょっと待って!」
思わず翔さんの腕を掴んでいた
『えっ?な・・なに?』
ちょっと怯えてる?
俺、何かした?
「翔さん、言いたいことあるならさ、ちゃんと言ってよ」
『いや・・その』
珍しく歯切れの悪い翔さん
「今日もう終わりでしょ?一緒に来て」
腕を引っ張って楽屋を出ようとすると
ニノが俺に近付いて耳元で話しかけてきた。
『これ、あげる。後で見て』
俺の鞄に紙袋を無理矢理突っ込んで来た。
は?何だよ?
バイバイって手を振ってるし
翔さんといいニノといい、おかしいぞ