第48章 もふもふ
A side
翔ちゃんは何にもわかってない
俺の事も翔ちゃん自身のことも。
どうして俺がここに居るんだって顔してる。
別れた恋人?
別れたなんて思ってるのは翔ちゃんだけだよ。
一方的な別れ話。
黙って聞いていれば、俺に対する思いやり。
お互いの家を行き来して、ご飯支度をしたり、気が付いたら掃除洗濯したり、得意か苦手かって言ったら俺の方が得意だったから、俺があれこれすることが多かった。
それが俺の負担になってるって、地方ロケの多い俺に、ドラマのセリフ覚える俺に、翔ちゃんの存在は邪魔だろうって。
そんなことないって言っても、頑固な翔ちゃんは勝手に2人の未来を悲観した。
翔ちゃん全然わかってないよ。