第22章 よーぐると
A side
♪♪ピピピピピピピピ♪♪
目覚まし時計の音で目が覚める。
隣を見るけど一緒に寝ていたはずの恋人の姿はもう無かった
「出掛ける前に起こしてって言ったのに・・」
早朝に出発するからって俺を起こさないように気を使ったんだろうけど、俺は顔を見ておはようって言いたかったなぁ
ブツブツ一人で言ってたら、スマホが点滅している。
ちゃんと俺の起きる時間を考えてメッセージを送って来たみたい。
みどりのアイコンをタップすると、黒いスーツに蝶ネクタイに銀縁眼鏡で執事影山に扮した翔ちゃんの画像。
S『ご主人様おはようございます。お目覚めは如何でございますか?今日は花粉がものすごく飛んでいるとニュースで言っておりました。花粉症にはバナナとヨーグルトが良いそうでございます。冷蔵庫にご用意致しております故お召し上がり下さいませ』
自分だって映画の撮影で朝早くて大変なのに俺のことを心配してくれる優しい恋人。
『有り難う。お互いに撮影頑張ろうね』
S『頑張ったら、ご褒美下さいますか?』
くふふ。甘えん坊の執事さんだなぁ。
『ご褒美にいっぱいいっぱい可愛がってあげるからね』
S『大好き』
もう何だよ朝から可愛いなぁ。
翔ちゃんが用意してくれたバナナヨーグルトを食べながら俺も撮影頑張ろうって気合いを入れた。
俺も大好きだよ翔ちゃん。