第12章 でんしょばと
3月に入ったある日。
劇団の稽古を終えてアパートに帰って来たら
23時を過ぎていた。
郵便受けを見ると同じ柄の封筒が2枚入っている。
1通は宛名も俺だけど差出人も俺。
封筒の隅っこにタイムカプセル郵便と書いてある。
あれは今から5年前、高校の卒業記念に
仲間5人でノリで書いた手紙。
投函してすぐでは無く5年後に届く手紙。
ポスターには、未来の自分に大切なあの人に
メッセージを送りましょうみたいなことが書いてあった気がする。
男5人で、それぞれ自分宛の手紙を書いて投函した・・はずだった。
だけど俺の手には、その時の封筒がもう1通ある。
宛名は俺、差出人は・・櫻井翔。