第1章 はちみつ
S side
んぅ。
目が覚めるとまだ辺りは薄暗い。
起きるには早すぎる時間。
右手に温もりを感じて視線を移すと愛しい人が俺の手をギュッと握り締めたままスースー寝息を立てていた。
ずっとこうして俺の隣に居てくれたのかな
「有り難うね、かず。」
そっと寝顔の頬っぺにキスすると
かずがゆっくり目を覚ました。
N 「翔さん。具合どうですか?」
ペタペタと頬を触ると笑顔になる。
俺の愛しい人は心から心配してくれていた。
がむしゃらに突っ走ってしまう俺をいつも支えてくれるんだ。
おでこにコツンと自分のおでこをあてて
N 「熱下がって良かった。咳も落ち着いて来ましたね。はちみつも効いたんでしょうかね」