第21章 電車でイチャイチャするカップルを冷めた目で見るよう
PM19:00
仕事がひと段落したので食堂にくると、
入り口で瀬戸さんとバッタリ会った。
瀬戸
「たまには一緒に食べるか。」
みわ
「はい!」
食事をおばちゃんから受け取ると、
窓際の席に着いた。
みわ
「いただきまーす。」
瀬戸
「いただきます。」
(昨日…一生懸命剥いた栗の…栗ご飯だ!!
ちょっと瀬戸さんに自慢しちゃおうかな〜!!)
みわ
「瀬戸さん。今日の栗ご飯には実は秘密があるんです。」
瀬戸
「秘密?」
みわ
「栗ご飯に使われてる栗に秘密があるんです。栗ですよ、栗に。」
瀬戸
「あんま栗栗栗ってさお前の口から聞きたくないんだけど……
まあいいや…で…この栗になんの秘密があるのさ?」
栗を箸で摘みながら、
どうでも良いみたいな表情を浮かべている瀬戸さん。
みわ
「その栗の皮は私が剥いたんですよ〜」←ドヤ顔
瀬戸
「…へ〜…」
みわ
「なんですか!!へーって…もっと有難がって下さい!」
瀬戸
「悪いな…俺は自分の気持ちに素直すぎるところが玉に瑕なんだよねぇ〜」
みわ
「!(´⊙ω⊙`)!」
意地悪な瀬戸さんを軽く睨みつけると、
私は有り難い栗ご飯を食べ始める。
瀬戸
「そーいや、新人女中どうだ?」
瀬戸さんもなんだかんだ言って、
栗ご飯から食べている。
みわ
「どうって……」
(嫌な感じの人とは言えないよね…)
返答に困っていると……
佐田
「あら、あなたもいま夕食?」
佐田さんが終さんと一緒に私達が座っている席の近くに来た。
終
「!」
終さんと目が合う。
みわ
「……」
瀬戸
「…馬鹿………」
みわ
「ちょっと馬鹿っていわ…」
瀬戸
「この栗ご飯スッゲーうめえな!!
やっぱお前が……お前が栗を剥いてくれたからかな!!!」
(な、何突然!!)