第4章 その後──
「……まぁ、蘭ちゃんはだいぶ楽しかったみたいだし、そこに免じて許してあげるわ」
「つーかオメーに許されるほどのことしてねーし……」
コナンが呆れたように言う。はくすっと笑った。
「まぁ、次はホワイトデーね。あー楽しみ。新一君は彼女に何を渡すのかなー?」
「うるっせーな」
「あ、ちなみに私にもお返しちょうだいね?ホワイトデーのお返しは3倍返しが基本だから」
「……はぁ!?」
コナンは顎が外れているんじゃないか、と言うくらい口を大きく開けた。は小首を傾げる。
「え?常識でしょ?」
「オレは初めて聞いたぞ……」
「え、新一非常識〜……っていうのは冗談で。3倍返しが基本っちゃ基本だけど、まぁ別に3倍返しじゃなくてもいいよ。お返しくれれば十分♪」
ウインクすると、コナンは「ああ……」と心底安心したように言った。
は皿に盛り付けてあったトリュフを一口つまんだ。そして頬にそっと触れる。
──あの時のあの人の手、あったかかったな……。
そんなことを思う。
──Happy Valentine♡
口の中でトリュフが甘くとろけた。
fin.
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