第4章 ケータイ
「…ない、ないないない!!」
「うっさいなーなによ?あゆむー」
「やばい…ケータイがないのーー!」
放課後の教室。
あたし、石月歩(いしづきあゆむ)はケータイをなくしたみたい…。
親友の佐野有輝(さのゆうき)といっしょに探している途中…。
「ゆうちゃん!あたしのケータイにずーっと電話かけててーー!」
「えっ…金かかるからイヤなんだけど。」
ゆうちゃんはけっこうバッサリした性格。
「ひっどぉーー!」
「ハァーしょうがないなぁ…」
しぶしぶゆうちゃんがケータイをいじった。
「……」
「……」
どこかで着信音が鳴ってないか、耳をすました。
「…なってないよね?」
「…なってないね。」
「教室にないんじゃない?」
「部室かなー…」
「それありえる。」
「あたし部室探してくるからゆうちゃん待っててー!」
「はーいー」
あたしは急いで教室を出た。