第3章 罪悪感
兄のお仕置きとも言える
淫らな行為の夜はご飯を
受け付けず早々に眠った。
片付けも体を清める行為も
全部優しい兄がしてくれる。
『兄さん…ありがと…。』
温かい手の温もりは
私を心から安心させてくれる。
だから隣で寝る時だって
今は怖くない。
むしろ…頭を撫でて
愛おしそうにキスもしてくれる。
勘違いしそうになる
こういう兄妹もいるって事を。
けれど、首筋に残る痛みは
現実でしてはいけない行為を
忘れるなという証のようで。
『いいよ、ゆっくり休みな。』
痛みを抱えていれば
兄に甘えたくなるほど心細い。
明日も学校がある。
友達にだって会える勉強も出来る。
兄は閉じ込めると言ったけれど
監視したりはしないらしい。
縛りすぎず自由にし過ぎず…
絶妙な甘やかし方に私は慣れる
慣れさせられた…かな。
『子守唄歌おうか?』
『もう、子供じゃないよっ』
『はは、ごめんごめん。』
茶化す兄の笑顔が好き
頭を撫でたりツンツンする手が好き
『寒くないか…?』
私を包んでくれる気遣いも…
好きだよ、兄さん…
でも私の好きは貴方の好きじゃない
兄妹なんだよ…ねぇ、
『いい夢見ろよぉ、』
そんな訴えも貴方に言えば
キツイお仕置きが返ってくる。
一番兄にとって敏感に
反応する禁句ワードなのだ。
眠ろう…忘れよう。
明日の学校のことについて…
思いを馳せることにしよう。
兄の許可があれば友達と
遊ぶことだって出来るし
認められた友達ならお泊りも
していいって言われてるし…
『………おやすみ、なさい』
隣同士で眠る私達は
周りからは兄妹に見えますか…。
誰にも言えない
言葉を隠して瞼を閉じる。
その時、初めて…
友達と遊ぶ想像じゃなくて
先生の…顔。
" また明日、今度は保健室で… "
何を期待する、何をしてくれる。
そんな事ばかり考えて
頭の中は先生の事ばかりで…
胸の高鳴りが兄にだけは
バレてはいけないと強く思った。
兄から逃げようとする私は…
きっと兄さんからすれば悪い子。
(でも、兄さん…
私…いい子にはなれそうにない。)