第25章 合わせ鏡(三成)
〜おまけ2〜
安土城書庫にて
三 (んん…これは困りましたね…その手の文献は果たしてあるものでしょうか…)
ガラッ…(戸が開いて)
家 (うわ…よりによって…最悪…)
三 (んん…これでもなさそうです…)
家 (またあんなに書物を散らかしてるし…何をあんな真剣に…)
三 (こちらには書いてあるでしょうか…)
家 「ちょっと…こんなに散らかされたら迷惑なんだけど」
三 (これでもなさそうですね…あ、たしかあの本に…)
家 「ちょっと、聞こえてるの?」グイっ…
三 「え?あ?わぁ!」どてっ…
家 「ほら言わんこっちゃない…足元に書物散らかしすぎなんだよ…はぁ…」
三 「家康様!いつからいらしたのですか?…いてて…」
家 「一体今度は何をそんな真剣に探してんだよ…」
三 「……家康様…」
家 「な、なに?急に…」
三 「折行ってご相談がございまして…」
家 (どこかで不穏な動きでもあったか?)
「何?聞くだけ聞いておく」
三 「家康様は、恋文を書いたことがございますか?」
家 「恋文か…。はぁ?恋文?!」
三 「はい。愛様が喜ぶような恋文です」
家 「はぁぁぁ…(深いため息)あんたたち、揃いも揃って…
俺のことなんだと思ってんの?」
三 「え?家康様は、とても素晴らしい武将です!剣術も去ることながら薬事にもお詳しく…」
家 「ああもう!馬鹿正直に答えなくていいんだよ!」
三 「はい…?(キョトン)」
家 「だいたい、あの子に書く恋文を俺に相談していいわけ?」
三 「どう言う事でしょうか?」(キョトン)
家 「俺があの子のこと、どう思ってるか言っていいって事?」
三 「家康様が愛様を?(キョトン)」
家 「……だいたい、恋文なんて自分の気持ちを書くものでしょ。
それとも、お前は誰かの気持ちを書いた上っ面の恋文をあの子に渡したいの?」
三 「…それは…嫌です。私の気持ちを…なるほど」
家 「だったら人の意見なんか探さないでお前が思うまま書けばいいだろ」
三 「そうですね!わかりました!さすが家康様、頼りになります!」(エンジェルスマイル)
家「わかったら、さっさと出てってくれる?お前がいると集中できない」