第16章 織物のように(三成)
オマケ
ある日の夕刻。安土城。
愛「あ!政宗!お団子大成功だったよ!」
政宗『そうか、良かったな』
政宗の手が愛の頭に伸びる。
ーーパシッーー
横から三成の手が、すんでの所で政宗の手首を掴んだ。
秀吉『おい…』
政宗『何だよ。減るもんじゃないだろ?』
不機嫌になる事もなく政宗が言うと、
三成「あれ?おかしいな…勝手に手が動いてました。すみません」
三成は不思議そうに自分の掌を眺めている。
政宗『まぁいい。三成も美味かったか?団子』
三成「はい!あのお団子は、一晩放置しても全く硬くならないのですね!」
秀吉『一晩…放置したのか…』
その呟きに、愛が真っ赤になって俯いている。
政宗『だろ?それを見越して、一手間加えたものを愛に教えたんだ。感謝しろよ』
政宗は不敵に口の端を持ち上げる。
秀吉『・・・。』
愛「そ、そうだ、三成くんそう言えば秀吉さんから貰った本読んでないでしょ?
早く帰った方がいいんじゃない?ご飯食べてからじゃないと駄目だからね?」
三成「そうでした!秀吉様、政宗様、お先に失礼致します」
秀吉『愛がちゃんと三成の事見ていてくれて助かるよ。これからもよろしくな』
秀吉の手がスッと愛の頭に伸びる。
政宗 (あぁ…わざとだな…)
ーササっー
愛「うわっ」
政宗『くっくくく…あははは!何で秀吉、三成の頭撫でまわしてんだ…ははははっ』
秀吉『・・・・・・・・。』
三成「す、すみません、勝手に身体が…」
愛「み、三成くん、帰ろう!秀吉さん、政宗、また明日!」
愛が不思議そうに呆けている三成を引きずっていく。
政宗『無意識なら仕方ないだろ…くくくっ…』
秀吉『・・・・。』
その晩、酒を一滴も飲まない政宗は、ご機嫌で秀吉のヤケ酒に付き合ったそうな…。
頑張れ!秀吉さん!
オマケ 終