• テキストサイズ

『ハイキュー!!』近くで想う…黒尾鉄朗or夜久衛輔

第6章 諦めようなんて決意は逆効果


付き合ってもう直ぐ一ヶ月…月日は早い。
諦めよう、そう決意して数日が経った。
ある日の事だ
珍しく黒尾くんが私に訪ねて来た。
彼女にプレゼントを贈りたい
という相談だった
また私の心を簡単に掻き乱す…
そんな彼をやはり好きな駄目な私

「そうだねー…」
「朝倉さんならいい案出してくれそうだったからさ…」
「好きな人から貰ったらなんだって嬉しいかも知れないけど…但しイケメンに限る」
「うわっ朝倉さん、辛辣過ぎるわ…」

にっこりと笑って辛辣な言葉を口にする
私なりの見栄っ張りな嘘…
貴方に言った訳じゃないのだ
だって黒尾くんはカッコイイから
そんな事、口が裂けても言えないけれど

「じゃあさ、朝倉さんならなにが欲しい」
「……どうだろう」

答えは貴方、私はなにもいらないから
なにでもなく、誰でもなく
黒尾鉄朗…貴方が欲しい。
そんな抱いてはいけない幻想に苦笑い

「欲しい物…私なら黒猫かな」
「はっ?えっ…猫?」
「うん、目付きが鋭くて可愛げのない黒猫…」
「えぇー…まさかの生き物とか」
「あれ、駄目だった?それは違反?」

駄目って訳じゃねぇけど
なんて貴方は渋りめにいう
意地悪だって思うでしょう?
それは私も分かってる
でも、言わせて欲しいの…
貴方が欲しいって
手の届く距離にいても遠い
そんな貴方が欲しいって事を

黒猫なんて…
貴方以外いないっていうのに
鈍感だなー…でもそんな所もやっぱり好き

「ちなみにユカは、化粧水とか凝ってますよ」
「えっ、マジで?」
「うん、やっぱり部活があるから化粧とか出来ないし…だから化粧水とか沢山持ってるよ?そうそう…甘くていい匂いがしない?」
「あぁー…確かに言われて見れば」

甘い私…
簡単に答えを告げてしまって
馬鹿な私…
それで彼が笑う顔が見たいと思えて…
私だけの笑顔にはならないというのに

「なんかいいの探して見るわ」
「うん、頑張ってね?黒尾くんから貰ったモノなら、ユカはなんだって喜ぶと思うよ?」
「そうか?まぁ…その事もなんだけど、本当にありがとうな…色々とさ」
「今更過ぎない?」
「悪い」

色々、ユカとの関係を指すのだろう
黒尾くんの明るい笑顔
私に見せてくれた、私だけの笑顔
狡いっ…胸が苦しい
いなくなる後ろ姿を目に追って
熱くなる顔を隠した

『諦めようなんて決意は逆効果』
/ 42ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp