第83章 ホワイトデー
「……ずんだ、だ。」
枝豆の薄皮を取り除き塩や砂糖と一緒に、主殿がふーどぷろせっさー、と呼んでいた物に入れていく。本丸にも色々な調理器具がありますが、この様な便利な物もあるんですな。
「一期一振、もう良いだろ、柔らかくなりすぎるぞ。」
手際良く調理を進める大倶利伽羅殿を見ていると、長谷部殿がレンジを覗きながらそう言う。
「ああ、いけませんね、つい見入ってしまいますな。」
取り出したチーズに甘い香りのオイルを垂らす。これは前に鯰尾が甘い香りがすると言って、舐めて悶絶した物ですな。
型へ流し込み、冷蔵庫で冷やしている間にさっき刻んだチョコレートと生クリームを湯煎に掛ける。
「一期さん、お湯入らない様にね?固まっちゃうから。」
本当に今回は火は使わないんだな、と薬研もやって来て手元を覗く。