第77章 幼心
「主、おはようございます。良く眠れましたか?」
「昨日しりとりしてる間に寝ちまったんだよなぁ。大将、またしような!」
もう朝食だよ!と、光忠に引っ張られてやって来た居間で、あいつと目が合う。
「おはよう伽羅ちゃん、ご飯ですよ。」
「……手伝う。」
隣で食器を並べるこいつとの、この時代での生活にも大分慣れた。
「良い子だなぁ、ありがとね。」
こいつが辛い思いをして来た事やこちらへ来てから怯えていたのは解った。……だが精神がどうのこうのってのは正直良く解らない。
こいつの為に出来る事と言っても思い付かなかったから、毎日猫の毛を艶々にしている。
そうすぐにも変われないだろ?