第60章 バレンタイン
「『バレンタインデー、二月一四日。三世紀にローマで殉教した聖人バレンタインの記念日。この日,相愛の男女が愛を告白し,カードや贈り物をとりかわす。』‥だってさ。悪くないね、僕も主ちゃんにあげてもいいかな?」
「…勝手にしろ。」
着替え中の長谷部君に言うと、一度物凄い顔で睨んでからそう言った。
「長谷部君、今日の服も似合ってるね!それ主ちゃんが選んだんだよ。」
白いタートルネックとカーキ色のニットに、黒いチェスターコート。それから黒いスキニーパンツだ。
「主…ありがとうございます。」