第36章 鍵①
次元の狭間で何があったのかは解らないが、そのせいか、残念ながら男は審神者や前の本丸の記憶を全て無くしていた。
審神者も勿論、以前の男の事を忘れている。
しかし、何故だろうなぁ‥二人はまた惹かれ合ったんだ。これが真名のやり取りをした者の繋がりか、そうでなければ‥
運命、だと思わないか?
それから、その男は自らの手でまた一人仲間を作る事になる。
俺、をな。
主の為に、と心を込めて二度も俺を呼んだあいつの事を思い出してやってくれないか?
「‥なぁ主よ、覚えているか?昔も今も、ここへ俺を喚んだのはあの男だ。」
俺は昔も今も変わらずに皆を待っているぞ。
「……三日月、貴方が、鍵、なのね‥」