第36章 鍵①
「……それ‥は‥」
「まだこの昔話を聞いてくれるか?実は、まだ続きもあるんだ。良ければ聞いてはくれないか?」
主よ、思い出してはくれないか…それを皆が望んでいる。
何とも言えない表情をしながらも、頷いた主を抱き抱え部屋へ入る。
何か考えているのだろう。黙ったまま大人しくしている主を膝の上に座らせて、また話を続けた。
「……審神者は毎日それまで通り、任務をこなして新しい本丸で過ごす事になるな。」
「新しい、本丸…?」
ああ、そうだ。
主よ、今も昔も変わらず、俺は主が心から笑ってくれる事だけを望んでいるぞ。