第1章 主と一緒
「いたいた!長谷部、良かったらこの後一緒に万屋へ行ってくれないかな?」
昼過ぎ、息を切らして走ってきた主からそう声を掛けられた。
「はい、荷物持ちでも何でもこなしてみせますよ。」
主命とあらば、そう笑うと主も嬉しそうに笑った。うちの主は審神者を始めてまだ一ヶ月の新米だ。
俺より先に来ていた加州や燭台切から聞いた話しだと、俺、へし切長谷部が目当てでこの仕事を始めたらしい。
ずっと必死で探してたもん、本当に羨ましいよね。と、何回言われたか解らない。
初めはそんな理由で?と呆れたものだが、しっかりと任務を熟し他の刀剣男子にも気を配る姿を見ていたら、あいつ等の“羨ましい”も満更でもないな、と思い始めた。