第94章 今を生きる
「それでそれで?そのあとはどうなったんだ?二度目の三日月さんが本丸に顕現したからめでたしめでたし!って感じだったんだろ?」
「……いや、そこからも長かった。鍵はあるが、主が行動しないと記憶は繋がらないようになっていたかったからな。」
「え、でもさ、三日月さんって一度目の主達の事覚えてるんだよね?」
こくりと頷いて、下を向いたまま口を開く。
「あぁ、覚えていたぞ。一度目の挨拶も、一緒に茶を飲んで笑ったのも、うたた寝をしている主の隣で一緒に寝たのも全部な。…そして一度目の、主への気持ちも変わらずここにあった。いや、二度目だからか、むしろそれは強くなっていたように思う。」
「……辛かった、よね?」
何も言わずに、にっこりと微笑んだ三日月さんがまた胸に手をやる。