第17章 名を呼べば
「あのさ、みっちゃん?ちょっと私の名前呼んでみて?」
「は?」
「いや、いいから、呼んで?」
主ちゃんは何を言ってるの?
名前って‥この流れだし真名の事だよね?っていうか、真名って知られたらいけないんじゃないの?
「え…い、嫌だ。」
「どうしてよ!?」
「僕には出来ない、から。」
「あー‥もう!何を考えてるんだか知らないけど、大丈夫だから呼んでみてよ!」
机の上に乗り出した主ちゃんの肘に当たって、書類が床へ落ちていく。
「……。」
「みっちゃん!」
書類、さっき纏めてたのにいいのかなぁ、なんて全然関係無い事を考えてると、主ちゃんが僕の鼻を摘まんだ。