第94章 今を生きる
今剣を肩に乗せ、またな!と豪快に笑いながら手を振る岩融さんを見送って、祈祷場に入って行く獅子王さんの後に続く。
「おーい、青江!お前にお客だぞ?」
「おや、僕にかい?」
「お邪魔するんだぞ!」
「やぁ、いらっしゃい。見ない顔だね、君が先日来たっていう包丁君かな?」
神鏡の前に沢山並べられた資材と刀装がある。その前に置かれた机に向かって、両手で銀や透明な玉を持った皆が俺を見た。
「包丁藤四郎だ!よろしくなんだぞ!」
「包丁?ああ、主が言っていた新しい短刀か。‥蜂須賀虎徹だ。俺を贋作と一緒にしないで欲しいな。」
「ふふ。とか言ってるけど、刀装作りは苦手なんだよね…私は石切丸という。よろしくね。」
「かわいい子だねぇ。僕に興味があるのかい?」