第94章 今を生きる
「鶴丸の奴が、失敗した刀装ぶん投げて部屋の壁に大穴開けたからだぜ?」
「は!?」
突然後ろから話し掛けられて、咄嗟に言葉が出ない。今度は誰だよ、驚かせないでほしいんだぞ!
「そーです!なげたんでした。どごーんって。」
「え、投げたのか?‥というか誰だ?」
黒と金のキラキラしていて格好いい奴だな!首にあるモコモコを手で撫でると、腰に手を当てながら俺を見下ろして笑った。
「俺は獅子王!お前が新しく来たって奴だろ?確か包丁だったよな?よろしく頼むぜ!」
「獅子王さんだな!俺は包丁藤四郎だ、よろしくなんだぞ!…それで、投げたってどうしてなんだ??」
誰しも通る道だとは思うが、と前置きしてから、抱えていた箱へ手を入れた。