第94章 今を生きる
「い、一兄……」
「は、はは‥包丁、よかったじゃねーか?風天様のお出座しだぜ!探す手間が省けたな。」
「ご武運を!」
「一兄、お、落ち着いて‥」
恐る恐る振り返ると、そこには満面の笑みの一兄が立っていた。あぁ…終わった‥俺お覚悟されちゃう。全国の人妻達、ごめんなんだぞ…
「風天様?一体何の事かな?…さ、それよりも包丁。私にも主殿の話を聞かせてくれるかな?いいよね?」
「えっと、あのっ…わ、解ったんだぞ。」
おいで?と伸ばされた手を握ると、後ろで小さく頑張れ、生きて帰れよ!と薬研達が応援する声が聞こえた。た、助けてほしいんだぞ!一兄の笑顔が綺麗過ぎて恐い!
あぁ、俺の人生も短かったなぁ‥願わくは、どうか人妻の天国へ逝けますように!!