第94章 今を生きる
鞄にお菓子を詰め込んで、鯰尾兄さんのオススメの青い包みを開く。
「それ、チョコレートクッキーだよ!昨日、主さんが焼いたやつ。」
「本当だ、いっただきまーす!はむっ……んっ、美味しいぞ!鯰尾兄さんはこれ知ってたの?」
「うん、俺昨日厨当番だったからさ、主さんが作ってるの横で見てたんだ。」
鯰尾兄さん、主が作ったの知っててこればっかり食べてたのかな?確かに美味しいけど‥他に理由とかあるのかな?
「あ、薬研や乱は食べたのか?主って料理得意なんだな!流石人妻!!」
「ゲホッ、もぅ!また言ってる!だからぁ、あるじさんは人妻じゃないってば!もし人妻ならボク泣いちゃう。」
「あぁ、そうだな。大将が人妻なら、俺の嫁にしたいとこだぜ。」
えー!ずるい!そう言いながら乱が薬研を叩く。