第94章 今を生きる
「この前かくれんぼした時、任務から帰ったばかりの一兄も、今と同じようにマントの下に隠してくれたんだ!」
「あぁ、小夜が鬼をした時ですね。」
「そうそう!やっぱり宗三さんもお兄さんなんだな!ありがとう!」
にっこり笑って頷いた宗三さんにドキッとした。本当に綺麗な人だよなぁ…
広間の前を通り抜ける瞬間、着物の隙間から広間を見ると、お茶をする鶴丸さん鶯丸さんと、一兄の姿があった。ふぅ‥危ない危ない!宗三さんがこうして袖で隠してくれなかったら見付かってたぞ!
「…もう大丈夫ですかね。貴方、誰から隠れてたんです?」
「一兄。」
「そうですか。何をしたかは知りませんが、早く仲直りするんですよ?」
たすきを懐から取り出し、肩に掛けながら宗三さんが笑う。