第94章 今を生きる
「それで?きみは何を企んでるんだい?」
「たぁくらむぅ〜?そんな人聞き悪い感じの事はしてないぞ!主の旦那を探してるだけだ!」
「ぶふっ!!?なんっ‥旦那ぁ?きみ、まだ主を人妻だと思ってるのか?」
鶴丸さんの手がぶつかった籠が引っくり返り、中に入った野菜が床に広がる。ああ、カブが!
転がった野菜を持って鶴丸さんに寄ると、籠に野菜を入れ直しながら溜め息をついた。
「悪い、取り乱した。加州が言ってた頑張れはこの事だな…んで、その旦那は見付かったのかい?」
「皆知らないって言うんだ。だから、主を好きな奴を探してるんだぞ!鶴丸さんもそうだって聞いたんだ、違うのか?」
腰に手を当てて、んー…と唸ると、俺の頭に手を乗せて笑った。