第94章 今を生きる
「じゃあ、主は隠れて見てて!俺が旦那に話を聞くから、そしたら全部上手くいくし!」
「包丁君、今また旦那って言ったよね…?はぁ、懲りないなぁ。解った、じゃあ本丸案内も兼ねて一緒に行こうか。」
わぁい、やったね!やっぱり優しい!人妻だ!!絶対認めさせて頭いっぱい撫でてもらおう!
「じゃあ、まず誰がオススメ?一番近い奴の部屋ってどこ?出来れば一兄達には見付かりたくないんだよね。」
「一番近く?なら‥」
「……ここだ。」
へぇ、ここかぁ!ここって誰の部屋なんだろうなぁ?
「‥って、えぇっ!?誰だお前!」
振り返ると、俺達の居る床の間の向かいの押し入れの前で、白い大きな塊が動く。うわっ、お、おばけ!?
「もぉ…まんばちゃん、また明かり点けないでいたの?今日は誰から隠れてるところ?」
歌仙?堀川君?と、訊ねながら主がおばけに近付いた。