第93章 白妙
「私も。私も、長谷部に恋をしてるの。初めて会ったあの日からずっと…」
「主‥」
「貴方が好きです。長谷部、これからもずっと一緒にいてね。」
「が言うならいつまでも、傍に居てくれるのであれば…」
両手で包んだの顔に何度も口付けすると、擽ったいと笑う。上がった口角に軽く口付けてから、唇を食む様に遊ぶと蕩けそうになった瞳が俺を見上げた。
「……あぁ、いけませんね、これでは帰れなくなりそうだ。」
「もう少しだけ‥」
「ふふ、俺の主はいつからこんな悪い子になってしまったんでしょうねぇ?」
愛しい俺の主、俺だけの。
もう二度とこの手を離しませんよ?覚悟は出来ていますよね。貴女がくれたこの懐中時計の針と共に、一緒に時を刻みましょう。
いとしと書いて藤の花、俺は紫の藤の花、貴女を決して離さない。